Faculty of Economics
経営学特講(明学卒業生たちのリーダーシップ)講演報告No.3

2024年11月19日

2024年10月29日火曜日に、1971年に経済学部商学科(現経営学科・国際経営学科)を卒業された齋藤知久氏(日本BS放送株式会社代表取締役会長・株式会社エフエム東京社外取締役)に「リーダーシップについて」という内容でご講演いただきました。受講生によるご講演内容の紹介と感想は、以下の通りです。

〈要約〉
 齋藤知久さんは、授業の最初に、大松博文、川上哲治、川淵三郎、仰木彬、栗山英樹、森保一という6名のリーダーを紹介され、それぞれのリーダーの違いについて説明されました。それぞれのリーダーの特徴は、次の通りです。大松博文は、オンとオフの切り替えで選手を引っ張ったカリスマ型指導者でした。川上哲治は秩序を大切にしながらも、新しいことに臆せずチャレンジするリーダーでした。川淵三郎は「前例がない」という人に対し、「200年経っても前例がない」と反論し、批判を押し切って改革を進めたリーダーでした。仰木彬は独自の指導哲学で選手を導いた。栗山英樹は先を読む力を持つ、球界のビジョナリー的リーダーでした。森保一は「物事は何でもバランスが大事」という名言を残したリアリスト型のリーダーでした。
 齋藤さんは、明治学院大学時代に柔道部に所属されていました。その時の経験から、私たちに伝えたいメッセージは、次の3つでした。1つ目は自ら世界を広げて、多くの人と出会い、夢を語り合うこと、2つ目は好きだと思ったことには情熱を持って精一杯取り組むと、それが自信や強みにつながること、3つ目は嫌いなことも避けずに挑戦することで、新しい「好き」が見つかるかもしれないことです。
 また、齋藤さんは、まだ見ぬ世界で視野を広げ、英語を学びながら柔道を伝えるため、大学卒業後にサンフランシスコへ渡米されました。その際の経験から、私たちに伝えてくださった教訓は次の2つです。1つ目は相手の文化や価値観を知ることで距離感が大きく変わること、2つ目はこれまでの出会いとこれから出会う人の中で、損得抜きで一生付き合える仲間を作ってほしいということです。
 齋藤さんは、帰国後に小西六写真工業株式会社(現コニカミノルタ株式会社)に入社され、7年にわたって、国内写真量販店を担当されました。その後、インドネシア、台湾、韓国での海外営業に携われました。また、シンガポール現地法人設立プロジェクトのリーダーも務められました。プロジェクトのリーダーとしての業務は、プロジェクト責任者との市場調査、反省会でのコミュニケーション、上司との議論なども含まれる多岐に渡るものでした。齋藤さんが、社会人経験から得たことは、ダメな会社はライバルを無視し、普通の会社はライバルの真似をし、勝つ会社はライバルに先んじるということです。齋藤さんは、ライバル企業に一歩先んじて差別化することが大切であるとおっしゃっていました。

〈感想〉
 今回の講義を通して、私は齋藤さんの2つの言葉に感銘を受けました。1つ目は、「嫌いなことも避けずに挑戦することで、新しい「好き」が見つかるかもしれない」という言葉です。私は今まで嫌いなことをできるだけ避けてきました。なぜならば、嫌いなことは自分をマイナスのベクトルへ誘うと思うからです。プラスにならないことをして、何が生まれるのかと思ってきましたが、この言葉を聞いて少し見方が変わりました。今後は、少しずつ挑戦をし、新しい知見を広げてみたいと思いました。
 2つ目は、「これまでの出会いとこれから出会う人の中で、損得抜きで一生付き合える仲間を作ってほしい」という齋藤さんのお言葉です。私は友達が少ないのですが、各友人との友情の深さを大切にしています。浅くてもいいので多くの友人を作りたいと、過去何度なく思うこともありましたが、齋藤さんのお言葉から、「損特抜きで一生付き合える仲間を作ること」の大切さに改めて気がつくことができました。
 齋藤さんの言葉や経験はとても参考になるものばかりで、非常に有意義な時間でした。将来やりたいことについて、何となくイメージできてはいますが、明確に定まってはいません。「嫌いなことも避けずに挑戦する」という齋藤さんのお言葉を胸に様々な物事に挑戦していきたいと思っています。